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現代ワンコの養生訓:干し飯(ドライフード)に卵と青菜を加えよ

ドライフードに卵とブロッコリーを加えた犬の手作り食イラストと、あじな動物病院の「現代ワンコの養生訓」タイトル

「毎日のごはん、カサカサのドライフードと水だけ。本当にこれでいいのかな…。」
そう思ったことはありませんか?
近年、犬のかゆみやアレルギー、毛艶のトラブルが増えています。これは、犬がドライフードだけを食べ続け、計算上の栄養は満たしているのに
“生きた栄養素”が足りないからではないでしょうか。私は“漢方獣医家”として日々診察をしていますが、ふと頭に浮かぶのは江戸時代の養生家・貝原益軒です。もし益軒が現代の犬ごはんを見たら、きっとこう言うでしょう──
『干し飯に卵と青菜を加えよ』
この記事では、毎日のごはんにひと工夫加えるだけで栄養バランスがぐっと整う、「あじな動物病院・わんこの養生訓〜卵・青菜編」をお届けします。

この記事の内容

🥢ひとさじの潤い

あなたの朝食が、たとえば毎日クッキーのような四角いエナジーバーと水だけ
そして昼食が毎日
カップめんにお湯だけを注いで食べる生活だったらどうでしょう。
お腹は満たせても、体の潤いが足りないなあと感じるはずです。
これは、犬がドライフードだけを食べている状況と同じだと思いませんか?
ドライフードは便利で保存性が高い、昔の干し飯のようなものです。そこに汁物や主菜を加えないと、それだけでは潤いや力が不足します。つまり、わんこの
食事に卵や青菜といった“生きた食材”を少し足すだけで、ごはんの質が一変します。

🌱養生とはなにか

江戸時代の人々は”養生”と呼ばれる暮らしの知恵を大切にしていました。
“養生”とは、毎日の暮らしや食べ物の工夫で体を整えること。
今でいえば
「生活習慣を見直して体をケアしましょう」という考え方に近いものです。
例えば味噌汁。大豆を発酵させることで、タンパク質は吸収しやすいアミノ酸に変化し、善玉菌が作ってくれたビタミンが豊富です。古人が作り上げた“飲む万能ドリンク”を毎日の食事に取り入れることことは、養生の基本になりました。

🥚🌿 実践編:乾いた食事に潤いを加えるはじめの一歩

1. 卵を加える

半熟卵なら1日に半分(小型犬)、あるいはうずらの卵を1つ。
卵は「完全栄養食」と呼ばれるほど、ビタミンC以外の栄養素をバランス良く含んでいます。
温めれば命を育むひよこになる卵は、まさに自然が用意した小さな栄養爆弾。
ごはんに加えるだけで、
毛艶や粘膜・皮膚に潤いを与え元気にしてくれます。

古人曰く──「鶏卵、陰を滋し、燥を潤す。血を養い、咽を清らかにす」

2. 青菜を足す

漢方獣医家の一推し青菜は「ブロッコリー」です。最新の研究でも注目されるフィトケミカル「イソチアシアネート」を含み、抗酸化や解毒の働きが期待されます。しかも卵に不足しているビタミンCを補ってくれるため、相性抜群!胃腸を元気にする作用もあります。

古人曰く──「西蘭花(ブロッコリー)、脾(胃腸)を健やかにし、五臓を補う」

🐾 養生訓・診察室より

 首の神経に腫瘍が見つかり、大学で手術した10歳のチワワちゃん。歩けるようになり、放射線治療の甲斐あって再発もありませんでしたが、手術で剃った毛が半年経っても生えず、今ある毛にも元気がありませんでした。そこで、あじな動物病院からごはんのアドバイス。うずらの卵を1つ、ブロッコリーを小さじ1杯。毎日のカリカリごはんに加えてもらいました。
半年後──「お?産毛でおおわれましたね。」1年後には毛が生え揃い、全身の毛量が増えツヤツヤに。
食養生が大切だと実感した一例です。

📝 まとめ

卵とブロッコリー──たったふたつを足すだけで、ごはんの質は大きく変わります。
乾いたごはんに潤いが加わり、体を養うバランスが整っていく。
それはまさに、現代に生きるわんこの「養生訓」といえるでしょう。
まずはシンプルに、この二つから始めてみてください。
「毎日のごはんに、ひとさじの潤いを」──それが健やかな体づくりの第一歩です。

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